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【新幹線より安く、高速バスより快適】常磐線回りの特急『ひたち』で往く仙台出張

東京と仙台を往復する交通手段と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?

おそらく殆どの人が真っ先に思い浮かべるのは東北新幹線。次点で高速バスや東北本線などの普通列車といったところでしょうか。

しかし、東京・仙台間には知る人ぞ知る特急列車が1日に3往復しています。今回は、そんな在来線特急列車を使って仙台に行くという裏技のお話です。

 

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130km/hの高速運転が可能な特急列車『E657系

東日本大震災を乗り越えて実現したロングラン特急

今回の主役は常磐線特急『ひたち』

首都圏で常磐線というと、上野駅から千葉の東葛地域や茨城に向かう通勤路線というイメージが強いですが、実は茨城から先、福島県浜通りを北上して宮城県にまで至る長距離路線です。

途中のいわきまでは特急列車が多数運行されていますが、いわきから先の区間東日本大震災で大きな被害に見舞われたローカル区間。震災後長らく不通となっていましたが、2020年に全線で運転再開となり、2020年春のダイヤ改正東京と仙台を結ぶ特急が“復活”を遂げました。

東京・仙台を直通する特急は震災に遭う前にも運転されていましたが、震災前から廃止が取沙汰されていました。そのため2020年の常磐線運転再開の際に復活することはないだろうと誰もが思っていただけに、このロングラン特急の復活はメディアで大きく取り上げられました。

仙台まで行く特急ひたちは1日3往復の運転。運行本数は決して多いとは言えませんが、運行をしてくれているだけでもたいへん有り難いものです。

4時間超えの快適な長旅

東京・仙台間は東北新幹線はやぶさ号を使えば1時間半程度で往来することが可能ですが、今回使う特急『ひたち3号』は上野駅を8時に出発して、仙台に到着するのは12時過ぎ。乗車時間は新幹線の倍以上の4時間超えです。

 

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ちなみに仙台行きのひたちのうち、往年の名列車が多数発着していた上野駅地平ホームから出発するのは朝の1本のみ。残り2本は上野東京ラインを介して品川始発となっています。

上野を出発した列車は常磐快速線を快走し、緩行線の列車をぐんぐん追い抜きながら関東平野を北上していきます。

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利根川を渡ると車窓には田畑が広がるようになり、水戸を過ぎると車窓からはちらちらと太平洋が見えるようになります。

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列車は2時間ほどでいわきに到着。ここから福島第一原発にもほど近い地域に入っていきます。

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いわきまでは高速運転をしていた列車も、いわきを過ぎるとのんびりと走っている印象。広野、富岡、大野、双葉、浪江、とこまめに停車をしていきます。

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途中の桃内駅で上りのひたちと行き違いをして、仙台近郊へと入っていきます。

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仙台手前の岩沼からは東北本線に合流。ほどなくすると終点の仙台です。

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列車に揺られること4時間余りで仙台駅に到着。短編成のローカル列車が行きかう仙台駅に10両の特急電車が停まる姿は圧巻です。

価格と時間の程よいバランス

仙台・東京間は新幹線だと片道11,610円。それに対してひたちは片道9,280円新幹線を使うよりも2,000円以上もお得です。

また、車内の快適性を見てもひたちに僅かながら軍配が上がります。というのも、ひたちは全席コンセント完備。新幹線だと車両や席によってはコンセントが利用できない可能性がありますが、ひたちだと確実に電源を確保できるので安心して利用できます。

また、列車の揺れや車内の混雑などを考えても、ひたちのほうが一枚上手です。

当然時間面では新幹線に太刀打ちできませんが、車内でテーブルを広げてPC作業をすることも可能なので、特に急がないのであればひたちを選択してゆったりと移動をするというのも有意義な選択だと思います。

 

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ひたちの車内。PCがおける広々とした机やコンセントが備わっており、PC作業も快適にできる

もっとも高速バスであれば2,000~3,000円程度でチケットが売られているので、価格を重視するのであれば高速バス一択になりますが、所要時間は6、7時間と少し長すぎな気もしますし、車内の居住性も良くはないので、価格と金額のバランスを考えるとひたちが優れているでしょう。

運行時刻と切符の買い方

東京と仙台を結ぶひたちは2021年現在、3往復が運転されています。

東京発

  • ひたち03号 上野10:13発 仙台12:29着
  • ひたち14号 品川12:45発 仙台17:25着
  • ひたち14号 品川15:45発 仙台20:28着

仙台発

  • ひたち14号 仙台10:13発 品川14:51着
  • ひたち26号 仙台16:11発 品川20:52着
  • ひたち30号 仙台18:02発 品川22:53着

 

乗車券・特急券JR東日本のオンライン予約サービス『えきネット』のほか、JR各駅のみどりの窓口指定席券売機で乗車1か月前から購入可能です。日によっては、東京~いわきの区間で満席になることもあるので、予定が決まったら早めに予約しておくことをお勧めします。